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2009年5月 9日 (土)

「事務局力」で奇跡を起こす

私が「事務局力」について書いてみたかった最大の理由は、「誰もが社会を変えるキーパーソンになり得る」ということを伝えたいと思ったからだ。

事務局力は、仕事ができる人になるためのハウツーではなく、あなたの気づきや小さな一歩を大きな変化につなげるための作法

日本のサラリーマンは、与えられた仕事を懸命にこなし、自発的に改善活動にも勤しむ。だが、社会が大きな変化を起こしているときに、なぜかまったく気づかない人が多い。新聞に書いてある、雑誌でもテレビでも、問題だ、問題だと連呼されていて、目には入っていることでも、会社に行ってデスクに座ると、いつもの日常がそこにはある。ニュースもドラマも一緒だ、自分には関係ない。自分には、与えられた役割、仕事がある

そんな人がいっぱいいて、この社会はハッピーなのだろうか?そういう人生が好きな人なら、それでもいい。だけど、自分が会社を変えるんだ、社会を変えるんだ、少しでも役立ちたいんだ、と目を輝かせる表情を誰もが持っているに違いない。

こういう気持ちを発露させる場が、日本の企業の中にはあまりに不足している。まじめにパソコンに向かって残業しているのがいいことだ、できもしない夢なんか持つな、という暗黙のメッセージが会社の中にはあまりに多すぎる。これは、私自身のコンサルティング経験からくる実感だ。未だに、多くの企業では、「何がしたいか」という質問は、「どこの部門のどの役割につきたいか」を意味する。だが、それだけでは会社はつぶれてしまうよ。企業は、社員がアイデアを出し、人やお金を投入して新しい価値を生み出し、それが社会に広がっていくことで、持続的に事業活動を続けている場だ。きわめてダイナミックな主体なのだ。サラリーマンは、もう求められていないんだ

求む、発想の転換。会社は、自分のやりたいことを実現するための場だ。「誰もが自分のやりたいことをやったら、会社はばらばらになってしまうのでは?」なんて質問が聞こえてきそうだ。だから、事務局力が必要なのだ。自分がやりたいことをチームがやりたいことにする、それを部門がやりたいことにする、そして会社がやりたいことにする。同時に、会社がやりたいこと、部門がやりたいこと、チームがやりたいことから、自分がやりたいことは影響を受けるだろう。事務局力の実践は、つねにオープンなマインドで、周囲に働きかけ、協力関係をつくりながら、自己実現=社会実現を探求し続ける、そういう生き方(being)にほかならない

それは、すごく美しい生き方だと思う。

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