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2009年5月の4件の記事

2009年5月29日 (金)

「イノベーション行動科学」のWebサイトを立ち上げました

BLOG移転のお知らせ。

「野村恭彦 公式BLOG」として運用してまいりましたが、国際大学GLOCOM(グローバルコミュニケーションセンター)で、「イノベーション行動科学」のサイトを立ち上げることになりました。今後は、そちらにBLOGも書いていくことになりますので、よろしくお願いいたします。

http://www.innovation-glocom.jp/

どうぞ、よろしくお願いいたします。

野村

2009年5月 9日 (土)

「事務局力」で奇跡を起こす

私が「事務局力」について書いてみたかった最大の理由は、「誰もが社会を変えるキーパーソンになり得る」ということを伝えたいと思ったからだ。

事務局力は、仕事ができる人になるためのハウツーではなく、あなたの気づきや小さな一歩を大きな変化につなげるための作法

日本のサラリーマンは、与えられた仕事を懸命にこなし、自発的に改善活動にも勤しむ。だが、社会が大きな変化を起こしているときに、なぜかまったく気づかない人が多い。新聞に書いてある、雑誌でもテレビでも、問題だ、問題だと連呼されていて、目には入っていることでも、会社に行ってデスクに座ると、いつもの日常がそこにはある。ニュースもドラマも一緒だ、自分には関係ない。自分には、与えられた役割、仕事がある

そんな人がいっぱいいて、この社会はハッピーなのだろうか?そういう人生が好きな人なら、それでもいい。だけど、自分が会社を変えるんだ、社会を変えるんだ、少しでも役立ちたいんだ、と目を輝かせる表情を誰もが持っているに違いない。

こういう気持ちを発露させる場が、日本の企業の中にはあまりに不足している。まじめにパソコンに向かって残業しているのがいいことだ、できもしない夢なんか持つな、という暗黙のメッセージが会社の中にはあまりに多すぎる。これは、私自身のコンサルティング経験からくる実感だ。未だに、多くの企業では、「何がしたいか」という質問は、「どこの部門のどの役割につきたいか」を意味する。だが、それだけでは会社はつぶれてしまうよ。企業は、社員がアイデアを出し、人やお金を投入して新しい価値を生み出し、それが社会に広がっていくことで、持続的に事業活動を続けている場だ。きわめてダイナミックな主体なのだ。サラリーマンは、もう求められていないんだ

求む、発想の転換。会社は、自分のやりたいことを実現するための場だ。「誰もが自分のやりたいことをやったら、会社はばらばらになってしまうのでは?」なんて質問が聞こえてきそうだ。だから、事務局力が必要なのだ。自分がやりたいことをチームがやりたいことにする、それを部門がやりたいことにする、そして会社がやりたいことにする。同時に、会社がやりたいこと、部門がやりたいこと、チームがやりたいことから、自分がやりたいことは影響を受けるだろう。事務局力の実践は、つねにオープンなマインドで、周囲に働きかけ、協力関係をつくりながら、自己実現=社会実現を探求し続ける、そういう生き方(being)にほかならない

それは、すごく美しい生き方だと思う。

事務局力の実践(7): 思いの連鎖で社会を変える

社会を変える。そんなことを真剣に考えて生きている人は、どのくらいいるだろうか?

社会起業家をめざす若者が増えている。いや、若者だけではない。大企業で働く人の中にも、環境問題、格差問題、途上国の支援、ダイバーシティ、ワークライフバランスなどに興味を持ち、それを仕事の中で追求していきたい、という人は急激に増えている。

考えているだけでは、もったいない。あきらめてしまうのは、もったいない。定年退職したらNPOでボランティアでもしようか、と思っている人も多い。だが、これももったいない。なぜなら、大企業の社員だからこそできる、大きな「社会を変える力」を活用しないことになるからだ。

さあ、事務局力の応用問題だ。社会変革の事務局になるとは、どんなことだろうか。その第一歩は、志をともにする人のネットワークを作ることだ。難しいことではない。

ネットで興味のありそうな勉強会、研修、NPOの集まりなどを見つけ、積極的に顔を出すところから始めればいい。そして参加したら、青臭くてもいい、荒削りでもいい、社会に対する自分の思いを伝え、共感してくれる人を探そう。少しでも意気投合したら、ケアメールだ。その日の晩には、メールを出しまくれ!

次に、社内での動きだ。会社に立派なCSR部があるようなら、そこに行って話を聞こう。どんなことが自社の社会ミッションなのか、どんなことが今の関心事なのか、どんな活動であれば会社として支援してくれるのか。まともなCSR部員ならば、社会的活動に関心をもった社員をないがしろにしないので、安心して絡みついてくるといい。CSR部がなければ、広報だ。とにかく自社のレピュテーション(評判)を気にしているところに、アクセスすべきだ。

次のステップは、社外のネットワークと社内のネットワークをつないだところに、自分のバーチャルな事務局を開くことだ。まずは、社外で知り合いになった人たちをメールのリストに入れて、「私の会社のCSR部とディスカッションをして、そのあと飲みませんか?」といった誘いをする。乗ってくる人が10人くらいいれば、CSR部の人と相談して場を持とう。CSR部がない場合は、違う手を考えないとね。

このディスカッションの場を持つ上で、社内外にケアメールをしっかり打つこと、一同に集まった人たちが心地よい時間を過ごせるようにアガペーモードで迎えること、そしてよい対話が行われるよう、事務局力をすべて投入してほしい。うまくいくも、いかないも、すべてはあなたの事務局力次第だから

うまくいくかどうかはわからない。だけど、退職するまで待つ必要がないことは、わかっていただけただろう。事務局力発想でいくと、フリーな身よりも、ネットワークの多い立場にいる方が、何をするにも有利だ。大企業に勤める社内社会起業家よ、テイクアクション!

2009年5月 2日 (土)

事務局力の実践(6): 最高にご機嫌なチームを作る

あなたがグループリーダー、プロジェクトリーダーなど、何か「リーダー」という名前のつくポジションについたとき、一番プレッシャーを感じるのが、チームの目標設定だろう。

通常のマネジメントでは、目標を達成するための要素を分解し、それらをメンバーで分担してやっつけていこうとする。このようなやり方は、目標が決まり切ったものだと、特に違和感はない。たとえば、モノが目の前にあって、それを全部やっつけなきゃいけないとか。だが、我々の仕事で、そんな単純なものはほとんどない。目標自体をいかに定義するかが、仕事の質の最大の要素になってきていることは、疑いの余地がない。

実は、その目標を「何に」ではなく、「どのように」決めるかで、チームを最高にご機嫌なものにすることができる。それが、リーダーの事務局力だ。

1) メンバー一人ひとりのやりたいことを突き詰める。そのとき、「チームはこうすべき」という意見には、「それはあなたのやりたいことなの?」と粘り強く問いかけなければならない。この対話をチームメンバー全員のいるところで、全員分やるのが理想だ。結果は明文化しなくてもよい。なぜなら、すでにメンバー相互の理解が深まっているからだ。(これはまさに、事務局力のケア+アガペモードの実践である)

2) 次に、メンバーのやりたいことをベースに、今年のチームとしての活動項目を描いていく。ここはアイデアベースでかまわない。注意すべき天は、「目標達成のためには・・・」という帰納的発想をしないこと、「昨年もこうだったから・・・」という前年踏襲も御法度だ。(もちろん、ここは鍋奉行ホワイトボード+付箋ワークショップを使ってファシリテーションするのが、リーダーの役割だ)

3) そして最後に、やりたいことベースで作った活動項目を組み合わせて、やらねばならないチーム目標をいかにクリアするか、という戦略を立てる。ここがもっともリーダーとしての創造性を発揮すべき瞬間だ。「何だ、やるべきことって、やりたいことをやり抜けば、楽々クリアできるじゃないか」、という気持ちになれるかどうか、ここでのマジックにかかっている。(ここが内職プレゼンテーションの能力を発揮する瞬間であることは、言うまでもない)

ここまでのアウトプットは、「やりたいことベースで目標ができあがった」ということである。

4) このあとは、ここで立てた目標をいかに各メンバーが自主的/自律的に実行していけるかが焦点だ。事務局力の「あこがれベンチマーキング」を使って、トータルにうまくいっている企業から、具体的なモデルを学ぶことが一つ。そして「あとづけバイオグラフィー」を使って、うまくいった主体的活動を大きく取りあげることにより、よい活動とは何か、ということを具体的に示すこと、それが重要である。

リーダーの仕事は、目標を示し、メンバーを引っ張ることだ、と思いこんでいないだろうか。メンバー全員が、やりたいことを目標にすることができるよう、ファシリテーションするのが、リーダーの事務局力だ。これを忘れてはならない。

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