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2009年3月 8日 (日)

企画部のジレンマ

企業の中に、何々企画、という名前の部署はどのくらいあるのだろうか?

経営企画部、事業企画部、技術企画部、営業企画部、SCM企画部、IT企画部、商品企画部、総合企画部。きっともっとたくさんあるだろう。事業部に分かれている会社では、各事業部が何々事業企画部からはじまって、4つも5つも企画部を持っているかもしれない。企画部門の仕事とは、どんなものなのだろうか。

以前、花王の部長さんと話しているときに、「花王には、企画部という部門は一つもないんですよ。だって、私たちのモットーは、『言うやつがやるやつ』ですから。考えるだけの部門はあり得ません。新しい企画は役員が言い出して、その人が率先垂範して実行していきます」、とおっしゃっていた。

では、企画部門は本当に不要なのだろうか?そこには、もちろん答えはない。ケースバイケース。部門が必要かどうかは、名前で決まるものではないからだ。当たり前の答えで申し訳ない。
ただ言えることは、企画部は大きな組織の、情報のハブになる。トップの方針をとりまとめて現場に伝え、また現場の情報を吸い上げて状況の変化を分析することができる。有効に機能すれば、きわめて重要な部門になることは間違いない。

企画部門に共通する問題点のヒントは、花王の部長さんの台詞にある。それは、考える人と実行する人の分離である。

企画部の陥りやすいトラップは、次の二点の思いこみに集約されるだろう。
・自分たちのアウトプットは、正しい企画や計画の策定である。
・自らが作った企画や計画を組織全体に実行させることが、自分たちの務めだ。

企画や計画は、実行されてはじめて意味がある。きっとこれに対しては、「実行もしっかりとフォローしている」という反論が出てくるだろう。それは分かっている。それが二番目の罠につながるわけだが、最悪なことに、自分たちの出した方針通りに現場が動かないことがしばしばなのだが、それを現場の変化対応のなさだと決めつけてしまう

では、企画のあるべき姿とはどんなものだろうか? それは、花王の言うように「言うやつはやるやつ」に則り、それを支援することだ。それは「言い出しっぺが損をする」ではなく、「やるやつに考える機会を提供する」ということだ。企画部は、実行する現場の社員に対して、最適な情報、専門家の助言、思考の手順、そしてオープンマインドで対話をする場を提供し、「自ら参画したプランを実行する」という機会を提供することができるはずだ。

このような発想の転換があったとき、企画部に必要なスキルは、現場社員の事務局として、ケアやアガペといった七つ道具を活用することである。役員ばかりを見て仕事をしている企画部に、明日はない。

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