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2009年3月21日 (土)

事務局力の実践(3): 社外の生きた人脈を構築する

次は、社外に開かれた、半径100kmのネットワークでの事務局力に注目しよう。人脈の重要性を否定する人はいない。社内の人脈は、いろいろな仕事をしているうちに自然に広がっていく。だが、社外の人脈は意識しないとなかなか広がらない

学会や国際会議で発表する、講演会に出席する、技術フェアに参加する、政府や学会主催の研究会の委員になる、ベンダー主催のユーザ会に出るなど、公式に社外の人脈を広げる機会はいろいろある。さらには、友達の友達が集まるような非公式な勉強会、大学やNPOが主催する研究会など、ネットワーキングの機会は無限に存在するようだ。

問題は、どこに参加するかではない。どのように参加するかだ。

ある会社では、社外のフェアや講演に行ったら、三日以内にレポートを出すことを義務付ける運動を必死にやっている。三日以内にレポートを書くことは悪くはないが、子供の宿題じゃあるまいし、義務付けなくてもよいだろう。この施策の意味するところは、「社外に出たら情報を取ってこい」というマインドセットである。はっきり言って、間違っている。そのかわりに、「社外に出たら生きた人脈を作ってこい」と言うべきだ。

生きた人脈とは、「損得抜きに何かを頼める」という人間関係を作ることだ。どうしたら、そんな関係を構築することができるのだろうか。それは、「情報を取ってくる」というマインドとは逆の、「価値ある情報で貢献する」というマインドだけが生み出す、人間のドラマだ。逆の立場で考えればわかるだろう。あとで有益な情報をくれそうな人との名刺交換は、出かけて行ったことの価値だと感じるだろう。相手も同じだ。あなたが何か必要な情報があれば、何でもどうぞという姿勢だからこそ、この人と人間関係を結んでおきたいと思うのだ。

これこそ、まさに事務局力である。イベント参加者全員に対して、何か貢献をしようと考えて接するケアの気持ちを伝え、場の共通の議題を見つけるよう努力する。ホワイトボードがなくても、言葉の力で人と人とをつなぐことができる。パーティ鍋奉行だ。そのことならあの人が詳しい、あなたと同じ業界の人とさっき会いましたよ、と人と人を引き合わせる。共通の話題ができてきたら、どんどんその輪を大きくしていこう。「この件に関する有益な資料を持っているので、必要であれば名刺をくださいね」と声をかけよう。お土産がほしい参加者は、こぞって名刺交換をしたがるだろう。

そしてイベントから帰ったら、その日のうちに名刺交換した人にメールを打つ。翌朝でもいいが、それならば9時より前だ。とにかく、相手が翌朝メールボックスを開けた時に、メールが届いていたほうがいい。もちろん、これはケアメールだ。名刺交換+ケアメールで、確実に「生きた人脈」を作ることができる

こうして、自分自身のケアリストに社外の人脈を連ねていく。何かイベントなどを開くときは、ケアリスト全員に丁寧にメールを送って招待する。来なくてもかまわない。ケアし続けることが大事だ。ケアしておけば、何か状況が変わった時に、助けてくれる、あるいは協業できるはずだ。大事なことは、ケアし続けることだ

遠慮してはいけない。時間を惜しんでもいけない。ケア、ケア、そしてケアだ。

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