« 事務局力の実践(1): チームの中で自分の企画を実現したい | トップページ | 事務局力の実践(3): 社外の生きた人脈を構築する »

2009年3月21日 (土)

事務局力の実践(2): タスクフォースで全社課題を解決せよ

次の課題は、半径100メートル。組織横断の課題への挑戦だ。大企業では組織は縦割りになり、それぞれの立場で主張する。だから全社課題についても、「自分だけの問題ではない」と協力的にならない。そんななか、あなたが全社課題の解決を任されたら。どうしますか。

「まいったな。全社の情報共有を根本から考え直せって。社長の思いつき、本当に参ったよな」と、課長は大弱りだ。つい先ほどあなたは課長と二人で部長に呼ばれ、「情報共有の全社タスク」を立ち上げて問題解決に当たるよう、指示されたばかりだ。社長は、あちこちにサーバーが立ち上がってしまっていて、どこにどんな情報があるのかわからない状態にもかかわらず、次々と各部門が独自のサーバーを新たに立ち上げる稟議を上げてきたものだから、カンカンなのだ。

全社タスクとは、関連各部門から一名ずつ担当者を出してもらい、組織横断チームで現状の分析を行い、ビジョンや施策を提言するための時限組織だ。難しさは、すべてのメンバーが自部門の仕事をそのまま抱えて参加するので時間がとれないこと、もう一つはどの参加者もタスク終了後に自部門に迷惑のかかる結論を持ち帰りたくない、と思っていることだ。つまり誰もが、参加の仕方も、アウトプットの出し方も、腰が引けているのだ。

全社タスクは、こういった構図の中、大きな挑戦の伴わない、ちょうどよい落とし所を探すことになる。「ま、検索エンジンを入れて、ポータルを立ち上げれば、なんとか形になるよな」。課長の言うとおりだが、これではお茶を濁しているようなものだ。事務局力を発揮して、情報共有の本質に取り組む全社タスクを立ち上げられないものだろうか

課長が、各部門の総括担当者に人選をお願いする連絡書を用意すると言って席に戻る。さあ急げ、言わなければいけない。「ちょっと待ってください、人選の前に、私に現場を回らせていただけませんか」、と。

こういうときはアポイントは不要だ。拠点の中を歩き回り、知った顔があれば、その部門の情報の整理・活用がどうなっているかを聞いてみる。その人に、同じ部門のキーパーソンを紹介してもらったら、そこにも足を運ぶ。こういうときは、鍋奉行ホワイトボードをクロッキー帳(デッサン帳)にもちかえ、インタビューをしながら相手の言葉をマインドマップでまとめていく。それぞれの部門で、情報を持っている人は誰、情報を必要としている人は誰、どの部門と情報共有することに価値があるかを発見していく。

全部門を回り終わったら、すべてのマインドマップをテーブルの上に広げて、アガペーモードで眺める。すべての部門の人たちを愛で包むのだ。この人たちのために、何ができるだろうか。情報をつなぐことで、誰がどのように助かるのだろうか、と。想像力を働かせる。頭の中には、インタビューした10人以上の人の顔が浮かぶだろう。じっくり考えていると、彼ら彼女らの顔が次第に話し始める。「お客様の要望に近い事例が過去になかったかどうか、すぐ見つけられたら助かる」、「各部門の契約書が一元管理されていれば」、「過去に同じような技術の検討がなされているかどうか知りたい」、等々。次々と想像が広がり始めたならば、それはもう彼ら彼女らがあなたの中に「ペルソナ」として、生き生きと生活を始めたことになる。

そのようになったら、初めて企画書の作成にかかろう。するすると、簡単に企画書が作れるだろう。誰のために何をしたいのか、熱い物語が書けるに違いない。事務局力にとって、企画書は何より大切な武器だ。しかし頭を抱えながら時間をかけて企画書を書くのに、何の意味もない。企画書は、書きたくてウズウズするまで、現場を回って話をしていなければならない

事務局力を発揮する人は、タスクメンバーを集める前に、すでに勝負をつけているのだ。タスクメンバーを集めてから、「皆さんどう思いますか?」では、腰の引けたメンバーをやる気にさせることはできない。さあ、先手をとって、動きましょう

« 事務局力の実践(1): チームの中で自分の企画を実現したい | トップページ | 事務局力の実践(3): 社外の生きた人脈を構築する »

「事務局力」の基本と実践」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1140210/28728332

この記事へのトラックバック一覧です: 事務局力の実践(2): タスクフォースで全社課題を解決せよ:

« 事務局力の実践(1): チームの中で自分の企画を実現したい | トップページ | 事務局力の実践(3): 社外の生きた人脈を構築する »