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2009年3月21日 (土)

事務局力の実践(1): チームの中で自分の企画を実現したい

まずは半径10メートルの事務局力の実践だ。チームと一言で言っても、サイズは3人くらいから50人以上と幅広いだろうし、特徴もいろいろあろう。しかしここでは、チームを「全員が毎日顔を合わせる」関係で、「全員が利害関係者」である人の集まりとして考えることにする。

あなたは突然、部長室に呼ばれる。「君もそろそろ、新しいサービスの企画を考えてみないか」と言われ、頭に血が上る。大抜擢だが、ある意味で試練だ。いい企画が出なければ部長の信頼を損ねるし、調子に乗っていると思われると、他のメンバーの嫉妬を買う事になる。どちらも絶対避けたい。さあ、あなたならどうする。

1. 部長に対して、余裕の微笑を浮かべ、落ち着いた声で「任せてください。ご期待に沿えるようにいたします」と言う。気分はゴルゴサーティーン。狙った獲物は逃しませんよ。

2. 部長室を出るとき、口元のにやつきがばれないよう、あえて眉間にしわを寄せる。はやる気持ちを抑えて、できるだけゆっくりと歩いて自席に戻る。パソコンの電源を入れて、「はー」とため息をつく。あたしゃ、うれしくありませんよ。

あなたができるサラリーマンであれば、この1, 2を自然にこなすことであろう。そう、このことはもちろん、まったく本質的ではない。問題は、ここからだ。そう、事務局力を発揮せよ。

まず事務局力の七つ道具の一つ目、ケアメールからスタートだ。メールツールを立ち上げながら、マインドセットを整える。この仕事で期待されていることは、自分一人の力で成果を出そうとすることではなく、自分がきっかけを作ってチーム全体が良いアウトプットを出すことだ、と。そうしたら、チームの中で先輩、後輩問わず、企画力のある人を選んで、ブレインストーミングの協力依頼をする。「部長から、企画のとりまとめを頼まれました。皆さんの力を最大限発揮するのが、私の仕事です」と書くことを忘れてはいけない。「私の企画に、さあ皆さん協力してください」では、誰も乗ってきてくれるはずがない。せっかく自分が任された仕事なのに、と思う人は、七つ道具の二つ目、アガペー(神の愛)モードを使って考えてみてほしい。どうしたらこの企画で、チーム全員がハッピーになれるのか、と。

ブレインストーミングが実現したら、ここで七つ道具の三つ目、鍋奉行ホワイトボードの応用をしてみよう。ホワイトボードをセッションが終わっても、そのまま居室の中に置いておくのだ。アイデアがたくさん貼ってある状態で。そして、ケアメールの第二段。こんどはチーム全員にメールだ。「企画のとりまとめをしています。最初のきっかけを○さん、○さん、○さん、にお願いしました。ぜひ全員でアイデアを加えていってください。チーム全員が一丸となれる企画を作りたいのです」。もちろんこれだけで、みんながアイデアを出してくれると思ってはいけない。誰かコーヒーを淹れに行ったなと気づけば、すぐに追いかけて行き、一緒にコーヒーを飲みながら「アイデアありませんか?」と話しかける。しつこく、しつこく続ける。

そして七つ道具の五つ目、内職プレゼンテーションの登場だ。毎日帰るときには、「今日皆さんからいただいたアイデア」というスライド一枚を作成し、全員にメールをする。もちろん、ホワイトボードの近くにも貼っておく。自分の思いつき、ちょっとした助言が、しっかりと取り入れられていくと、アイデアが可愛いものに感じられるようになる。チーム全員の愛情が注がれるようになる。

部長への報告の日。あなたは堂々と、「企画創出のプロセス」を語ればいい。「お前のアイデアではないのか」、と叱るような上司はいない。あなたの事務局力に感心しつつ、目を細めるだろう。「みんなで作ったのか」、と。

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