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2009年1月 4日 (日)

事務局力の七つ道具(6): あこがれベンチマーキング

【応用ツール】

事務局力の七つ道具(6)
あこがれベンチマーキング

どうしたら、異なる価値観を持ったプロジェクトメンバー全員が、一つの方向を信じることができるようになるのだろうか?

組織化論の権威であるカール・ワイク教授は、「センスメーキング・イン・オーガニゼーションズ」の中で、エベレストで遭難しかけたグループが、一人の隊員のポケットに山の地図があったため、それを信じて無事帰還したエピソードを紹介している。この話の落ちは、この地図がまったく違うヒマラヤの地図であったということだ。グループ全員が信じられるものがあると、安心してグループは一つになれる。そうなれば、たとえ情報が誤っていても、よい成果をだすことができるという話だ。もし、このグループのリーダーが、違う地図であることを知っていながら、皆を安心させることに成功していたならばもっとすごい、という議論も紹介されている。

では、「ベストでなくとも、全員が信じられる地図」をどう用意すればいいのだろうか? ビジネス戦略上、もっとも信じられる地図は、「成功事例」だ。他社ですでに成功した事例を見れば、全員で同じゴールイメージを共有できる。たとえその企業の事例が、自社にとってベストのものでなくても構わない。「ゴールを具体的にイメージ共有できている」という安心感が、何より大事なのだ。

だから、訪問先はどこでもよい。ベンチマーキングさせてもらおう。ベンチマーキングとは、実地訪問をして、具体的にどんな「ベストをめざすべきか」、「それをどうやって実現しているか」など、自社と比較調査する活動を言う。同業他社の事例を知りたがる人も多いが、それは必ずしも正しいベンチマーキングではない。同業他社のベンチマーキングをしても、業界の横並びを助長するだけで、決して新しいアイデアを得ることはできないからだ。ゼロックスがL.L.ビーンズの在庫管理をベンチマーキングすることで、大きな収益改善を果たした話はあまりに有名だ。

ここで、ひとつ事務局力を発揮するとよい。ベンチマーキング訪問は、会社対会社の関係になるので、あなた個人の人脈に頼る必要はまったくない。あなたの会社の社長の人脈を使っても良いのだ。できるだけ上位層の人に紹介をしてもらい、あなたの「一度は見てみたい」というようなあこがれの会社に、ベンチマーキング訪問をお願いしよう。うまく行けば、あなたの個人的なあこがれの会社が、自社のゴールイメージになる可能性もあるし、もっとうまく行けば、あこがれの会社とあなたが個人的に太い人脈ができる

プロジェクトの方向性を明らかにし、同時に自分のあこがれの会社とのパイプもできる、一挙両得のベンチマーキングだ。

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