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2008年12月14日 (日)

The World is Spiky 「スパイキーになる世界」

今年の秋にKDIのベンチマーキングプログラムでヨーロッパに行ったとき、ドイツの識者たちが盛んに言っていたことが、"The World is Spiky"だ。トーマス・フリードマンの「フラット化する世界」へのアンチテーゼとして、「クリエイティブクラス」で有名なリチャード・フロリダが出した概念。フロリダは、一部の都市への創造的人材が集中することで、スパイキー、つまり釘だらけのような世界になると主張する。

このグローバル化に対する見方についても議論は尽きないと思うが、ここでは二人の議論を、「アベレージ」な世界から、「フラット化」し、さらに「スパイキー化」していくという汎用的なモデルとして捉えてみたい。そうすると、このモデルを通して、他の様々な問題の本質が見えてくるように思える。

まず、この「アベレージからフラット化し、さらにスパイキー化」モデルが同じように顕在化しているのが、組織形態である。アベレージは、階層型の組織。それが近年フラット化し、中間管理職が減って、横断プロジェクトが増えた。あたかもどの組織からも専門家が自由に出入りし、全体最適な組織運営が行われているかのようだ。しかし、現状はまったく異なる。組織の壁はものすごく高く、「フラット化する世界」になぞらえて言えば、関税障壁のようなものを各部門が張り巡らせ、ローカルな世界を築こう、築こうとしている。そこでリチャード・フロリダよろしく、企業内の組織も「フラット化」などしていない、「スパイキー化」しているのだ、ということになる。世界の創造的都市にあたるのが、組織のプロデューサである。階層型組織の力が下がり、一方で組織横断の力も弱ければ、こういったときに力を発揮するのが、組織を超えて個人をネットワークし、やる気にさせて、大きなイベントを起こすプロデューサタイプだ。

映画界で言えばもっと顕著で、プロデューサや監督にすべての力が集中している。しかしそれは、組織長のような権限ではなく、企画力、調整力、そして動機付ける力、ベクトルを揃える力、そして細部にこだわり、誰もが満足する結果を出す力。こういった知力と人間力を持つ人のところに、つまり実質的なプロデューサ人材に、すべての資源が一極集中する。スパイキーな世界なのだ。

参考までに、フラット化する世界。

そして、リチャード・フロリダのクリエイティブクラス。


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