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2008年12月28日 (日)

「強い文化」をつくる事務局力

「強い文化」とは何だろうか?

新しいやり方を身につける力であったり、意思決定したものが全員に伝わる速さだったり、変化や例外に対応する柔軟さ、などと捉えられるだろう。「強い文化」は、不確実な時代になった昨今、今まで以上に重要な経営の変数になってきたと言えよう。

では事務局は、多様な参加者が一時的に集まるプロジェクトで、いかにして「強い文化」を作り上げていけばよいのだろうか?

佐藤郁哉氏らは、「制度と文化 - 組織を動かす見えない力」の中で、「文化は、人をコントロールするものではない。それぞれの人がどのような態度を取るかという"行為戦略”を決定する上での、ツールキットである」、と述べている。つまり、「文化は制約条件ではなく、人が選ぶものだ」ということである。

このことは、私たちに重大な示唆を与えてくれる。事務局は、「望むべき文化」を誰もが選ぶように仕掛けることができる、その可能性を持つことになるからだ。

また佐藤らは、「行為戦略は、その人の経験を積んできた"畑”に依存する」と指摘する。つまり、育ってきた「畑」の違いが行為戦略の違いとなり、それが文化を決定づけているというのだ。営業、サービス、開発、企画、経理といった異なる部門から人が集まった会議を思い出せば、これは大いに頷ける指摘だろう。そう、事務局は参加者の「畑」を特に意識する必要があるということだ。

各部門からの参加者は部門代表の損得勘定で主張がずれるばかりではなく、各人の畑の違いが行為戦略のズレを生んでいる。こう考えると、目標をすりあわせる前に、お互いの価値観を理解し合う機会を持つことが、何より大事だということが分かる。

プロジェクトを強い文化にしていくために、事務局は次のステップを考える価値がありそうだ。
1) 畑の違う参加メンバー、ステークホルダーそれぞれの行為戦略を見立てる。(この人はどんな特性があるか?という想像力を働かすのだ)
2) 行為戦略の違いを相互理解し、共感を促すような場を演出する。(アイスブレーク、ワールドカフェなど、1対1あるいはグループで対話をする機会を増やす)
3) 新しい「文化のツールキット」として、創造的なワークセッションを定着させる。(通常の会議と違う雰囲気で毎回運営する)
4) そこで生まれた物語を記録し、伝達する。(プロジェクト外のステークホルダーに対して伝達することで、プロジェクト内部の結束力を高める)

このようなプロジェクトマネジメントを行うことで、事務局は、利害対立する参加メンバーたちを一つにし、一方向に向かわせる「強い文化」を構築するのだ。

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