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2008年12月14日 (日)

「強力な個」が組織を動かしている

生産性と創造性を共進化させよう、ということを一つ前の記事で問題提起した。

ここでは、「圧倒的な創造性によって生産性を高める」ということが、組織の内外ですでに起きている、ということを見ていきたい。

まず、自社の成功事例、うまくいった仕事のやり方を思い出してほしい。自社の常識をくつがえし、組織を超えたコラボレーションが巻き起こり、その結果、大きなイノベーションが起きたときのことを。そこには、どんな成功要因があっただろうか?

言い当ててみよう。そこには、「強力な個」がいたのではないだろうか?このことは今まで、「あの人だからできた」という、能力や個人技の伝説として扱われてきたのだと思う。しかし、この「強力な個」は偶然ではなく、もっと合理的に説明のつくものなのではないか。

「ネットワークハブ」というアイデアがある。シックスディグリー(世界中のだれとでも、6人を介せばつながっている)は、多数のネットワークを持つ「ハブ」の役割を担う、少数の人によって実現されているというものだ。

会社の中にも、組織を超えて人と人をつなぐ、情報を伝達する「ネットワークハブ」の人がいるはずだ。その中に、「強力な個」が潜んでいるのではないだろうか。

その人が、たんに情報を流す、人を紹介する、というだけでなく、「問題の本質を解きほぐし、組織を超えて適切な人を集めて、創造的に問題を解いてしまう」。そういう人がいつも、イノベーションの手前にいるのではないか。「ネットワークハブ」の中でも、そのような創造的な問題解決をしてくれる人を、「イノベーションハブ」と呼びたい。「強力な個」は、このような「イノベーションハブ」なのではないだろうか。

イノベーションハブは、周囲の社員からすれば、「現場の課題を持ち込むと、本質的な問いに高めてくれる人」だ。こういう人たちを会社の機能として明確化していく、もっと目立つように、誰からもアクセス可能にしていく

そこで、問題をこう定義してみる。インフォーマルに組織を超えて問題解決する「強力な個」を、会社の役割として、組織機能としての「強力なイノベーションハブ」に変えていけないだろうか。

イノベーションハブが表に出ない理由は、二つある。
一つめは、自他共に認める「強力な個」であるイノベーションハブの場合。彼ら彼女らにとっても、これは本業ではないからだ。権限を持つ「強力な個」は、通常業務のパフォーマンスの高さが評価され、副業としてイノベーションハブの役割を果たす。起業家精神に富んだ、スーパースターだ。だが表だって、このことが私の仕事だと言うことはない。
もう一つは、イノベーションハブが、社内の「変わり者」と思われている場合だ。この人たちは、会社の短期志向の戦略に憤り、会議でもテーブルをひっくり返すタイプだ。どちらかというとネガティブな強者というレッテルが貼られているが、社内外に豊富な人脈を持ち、本質をつかむ力に長けている。社内に敵が多く、やっかいがられて出世していない。

これら二つのタイプのイノベーションハブをどうやったらうまくネットワーキングできるだろうか。彼らの持つ能力をうまくコーディネートできるだろうか。このことが、新しい経営思想を実現するための成功要因に違いないのだが。

「イノベーションハブの活用」が、「問題を単純化して分業して解く企業文化から、複雑な問題を本質から解き明かす企業文化への体質変容」につながるのではないだろうか。そのことを今、必死に考えている。

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