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2008年12月21日 (日)

事務局力の技術(会議編)

事務局力を発揮するには、思想や人間性が重要なファクターになることは事実だ。しかし、人間的要素で事務局力を発揮できないということよりも、正しい知識やスキルを持っていないために、管理的事務局に終わっていることの方が多いのではないか。

事務局にとって最も重要なイベントは、いわゆる「会議」である。会議をいかに設定し、運営し、そして決定事項を記録に残し、広めていくか。このような、会議の前、間、後の三つのタイミングそれぞれの、「技術」があることを理解する必要がある。これが、事務局力を発揮して組織を動かすか、それとも時間の浪費とも言えるオペレーショナルな作業に振り回されるかの分かれ目である。

(1) 会議の前
会議の前に、会議の成否はほぼ決まっていると考えるべきだ。

email
会議の招集の連絡は、事務局力のキーだ。emailが発達したこの時代、直接連絡を入れておけば、事務局の意図にあったメンバーを集めることができる。つねに適切な役員を集められるようにするためには、秘書に対してのemailの書き方にもケアする必要がある。担当に来てほしい時には、Cc:に課長を、部長に来てほしいときにはCc:に役員を入れておき、その人の重要性を上司の見るであろうemailの中でしっかりと訴えておくのだ。

インタビュー
皆、会議の最中には本音を話さない。だから、あらかじめ各参加者のアポイントをとって、個別に話を聞きに行くことが重要だ。インフォーマルにコンタクトをとってもよいが、さらなる高等テクニックとして、「全員にインタビューする」ことをフォーマルに宣言するやり方がある。そして全員のインタビュー結果をまとめ、全員に全員分をフィードバックするのだ。他人の考えを客観的に眺め、相互理解する上でとても役立つツールになるはずだ。

(2) 会議の間
会議の成否は事前にほぼ決まっていると言ったが、会議の満足度は、もちろん会議の間で決まる。どれだけ全員が高い満足度を感じる会議を行うかが、事務局の腕の見せどころだ。

ファシリテーション
ファシリテーションは、利害関係のある参加者同士の共感を演出し、創造的な協業を可能にする。ファシリテーションにはもちろん、全参加者から等しく意見を聞き出す傾聴力、それを整理・体系化して可視化する表出力、そして楽観的に共通のベクトルを指し示す仮説提出力などと、高度なスキルが要求される。しかし、参加者全員に対して満足して帰ってほしいというサービス精神を発揮できれば、成功の確率は一気に高まることになる。

面白いことに、会議への参画度合いは、その参加者の満足度につながる。満足度の高い会議は、そのアウトプットに実行力が生まれる。つまり、会議に全員を参加させること、それが成功の最重要ポイントであるということだ。

また会議は、ロピー活動(政治的ネゴシエーション)の最高の舞台だ。会議の前には早めに来て、雑談をする。休憩を長めにとり(事務局にその権限がある)、そこで経営トップに自分の意見を伝える時間にするなど。志や企みのある事務局は、会議の休憩時間を最大限に活用するはずだ。事務局仲間と雑談しているようでは、管理的事務局というレッテルを貼られても文句は言えまい。

(3) 会議の後
事務局が戦略性を最も発揮できるのは、実は会議の後である。会議の内容は様々な角度から振り返ることができるし、どの発言を強調するかで、ニュアンスを大きくコントロールすることもできる。

議事録
議事録は、主観的記録であるにも関わらず、公式な文書である。事実を曲げることは許されないが、自分の意志に近い部分を強調したり、ニュアンスの調整をすることができる。たとえば社長が、「私はそう思わないな」と言ってほぼ否定したことを、「再度検討するよう指示があった」と前向きに記述することもできる。誰も文句を言えない範囲だ。

報告書
何度かの会議を重ね、中間あるいは最終の報告書をまとめる段でも、事務局は自分の考えを吹き込むための、大きなチャンスを得る。報告書は毎回の議事録ではないので、ある視点で通して全体を整理し直すことになる。報告書を書くのは誰もが面倒なので、事務局が買って出れば、まず間違いなく「お任せします」になるだろう。

このように書いてみると、事務局というのは本当に恐ろしい役割だな、と思い知らされる。考え方の違うライバルに事務局力を発揮されて痛い目に遭う前に、しっかりと事務局力の技術を磨いておこう。事務局力を最大限に活かせば、組織はあなたの思うように動かせるようになる。

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