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2008年12月27日 (土)

事務局的部門のジレンマ (広報部編)

広報という仕事は、面白い位置づけの役割だと思う。社内のネタをマスコミに取り上げてもらうことで、会社のブランド価値や商品価値を高めることをねらうのだ。自分自身で何かを作り出すわけではなく、きわめて事務局的要素の強い部門だ。

広報部のジレンマは、
- 社内に面白いネタがなければ始まらない
- マスコミが興味を持ってくれなければ始まらない

という状況の中で、自らの立ち位置を明確にしにくいことだ。
マスコミが関心を持つニュースがなければ何もできないし、逆にマスコミが関心を持つニュースがたくさんわかっているなら、広報部など必要ない。つまり、自分たちの知恵で、マッチメーキングをしたときにのみ、その存在価値が際立つのだ。

しかし現実の広報部の多くは、受け身になりがちだ。社内の面白いネタを探して、一方でマスコミの関心を聞き出し、マッチするようなネタを投げ込んでも、ヒット率はきわめて低い。所詮ネタの質次第、というところは否めないからだ。

では、事務局力を持つ広報部は、どのような違いを出せるだろうか? それはもちろん、プロアクティブにコトを起こすことを考える、具体的には、次のような「テーマ創造プロセス」を駆使することができる。

- 社会的テーマを提起する。社内外に、強く発信する。
- テーマに合わせて、社内の活動を応援する。社会が求めるテーマを強化するよう、役員にプレッシャーをかけたりもする。
- 一方でマスコミに対しては、そのテーマの重要性を記者に啓蒙する。その特集が組めるよう、定期的に情報提供を欠かさない。自社に限らず、他社の事例も惜しげもなく提供する。
- そのテーマの社内事例ができるまで、社内政治によって後押しをする。社内事例ができたら、積極的に発信する。もちろん、マスコミへの投げ込みを徹底する。
- マスコミが特集を組む時には、そのテーマのリーダーとして取り上げてもらう。(それまでの情報提供の貸しを一気に回収する)
- マスコミで取り上げられた記事を社内に強力に発信する。そのことで、社内がさらにそのテーマに熱心になる。

広報が、このような事務局力を発揮するならば、これほど見事に社内を動かす力を持てる部門は、ほかにはない。

この話を広報部に限らず、一般化して考えることもできる。それは、自部門の前工程(広報ならば社内のネタ)、後工程(広報ならばマスコミの記事)に受動的に反応していたら、できることの限界がすぐに訪れるということだ。それは、オプションがきわめて限られてしまうからだ。いくら量的に活動量を増やしてがんばっても、このような少ないオプションの中で動いている限りは、食わないエサを投げ込んでいるようなもので、無駄になる。無駄な作業を作ってやり続ける、それで忙しいと感じているのは、明らかに本社病である。

もう一度、確認したい。事務局力とは、
- 構想を持って、働きかけること
- 企みを持って、他を動かすこと
- そのときに他の力を使って、他を動かす
そのような、しなやかな強さを持つことである。

広報部は、とりわけ事務局力を駆使して、社内を動かしてほしい。

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